インボランタリーアップグレード!

旅行中に起こりうる、うれしい出来事の一つにインボランタリーアップグレードがあります。

本当はエコノミークラスのチケットなのに、航空会社側がオーバーブッキングなどの事情でエコノミー席がなくなり、選ばれた一部のエコノミー客が、押し出さされて、いやアップグレードされて、上位クラスのファーストクラスやビジネスクラスの席を案内されるというあれです。

これは、一回経験してしまうと、これはもううれしすぎる体験なので、次回以降なんとか同じ目にあわないだろうか、と考えてしまうものです。

実際にインボランタリーアップグレードで検索してみると、数多くその秘訣がご親切にまとめられているページもあったりします。

その情報の多くが航空会社のステータスを保有していること、フリークエントフライヤーであること、持っている航空券の種類が上位クラスであることなどをあげていて。

 

この時点で、「該当しないな」と感じてしまう方はおられると思います。

 

ただ、私のインボランタリーアップグレードの経験はこのどれにも相当ていません。

ステータスもなく、航空券は格安航空券で、搭乗も1年に一回以下という状況でした。

 

当日の状況をまとめると、こんな感じです。

LAXロサンゼルス国際空港から乗る、ノースウェスト航空東京行きの搭乗手続きに滑り込む。二時間前にはカウンターに来るよう勧められているが、実際は1時間半くらい前に到着。慌ててチェックインし、その後そさくさと保安検査場を通り、そのあとの搭乗口前のバーガーショップで出国前のたべおさめとばかりにバーガーをほおばっていると、搭乗の列も短くなってくる、この度もあわてて搭乗ゲートへ走ると、ゲート通過時にチケットが新しいものと交換され、ビジネスクラスになっていた。シレっと座り、ウェルカムドリンクを片手にあとは日本までの長距離フライトに幸福な期待を膨らます。。。

 

今でも理由がはっきりしないのですが、一つ思うのは私の計画不足で時間が押していたことが幸いし、当時のノースウェスト航空は搭乗の二時間前までにほぼすべてエコノミークラスを埋めてしまっていたのかもしれないと思っています。

そこで慌てて飛び込んできた私の席は、もうすでにビジネスクラスからとるしかなくなっていたというような推測を立てております。

もっともこればかりは推測ですし、10年ほど前の話です。

ただ、上級会員やフリークエントフライヤーのみが優遇されるというわけでもないかという根拠にもなると思います。

 

乗客の服装をグランドスタッフが見ていて、他のビジネスクラスの乗客に気まずい思いをさせないシックな服装をした客を選んでアップグレードするような説も、ちらほら他のウェブページで拝見しています。こちらはもしかすると私の例にも当てはまるかもしれません。当日は、ツイードのジャケットにローファーというようなカジュルな中にも恥ずかしくない装いをしていたと思います。

あわよくばと期待してそういう格好をするわけではないのですが、乗り物に乗るときは一応サービスを受ける側として、またほかのお客様の手前、だらしのない恰好をしていたくないと思うのです。

それがよかったのかも。

 

しかし、こういうものは不意にやってくるもので、ひそかに狙っていたり、心の中で切望しているとかえって巡ってこないものではないかと思います。だって、それ以来何度か長距離国際線を利用する機会はありましたが、ビジネスクラスにアップグレードしていただく機会なんてありませんから。いや、どなたかがそういううれしい目にあっているのを見たこともありません。

航空会社も相応の値段を払ってもらってサービスを提供することが本意と思いますので、あまり頻発させることはないのかもしれません。